生成AI活用
生成AIで
校務の記録を軽くする
所見、保護者からの長文意見、会議録、研修報告書。実際に試した方法と、大切にしている考え方をまとめます。

生成AIへ仕事を丸投げするのではなく、自分が書いたもの、聞いたもの、考えたものを整える部分で助けてもらう。これがこれらに共通する使い方です。

01
所見の誤字脱字をChatGPTで確認する
ここでは、まず教師がいつもどおり子供の成長や学習の様子を所見にまとめます。その文章をChatGPTへ貼り、管理職の視点で誤字脱字や不自然な言い回しを指摘してもらいました。
「下記の文章は保護者に子どもの学習活動の様子や評価を伝えるための所見です。小学校の管理職の視点で誤字脱字をチェックし、言い回しの不自然な点を指摘してください。おかしな点があればその箇所と修正版を示してください。」
タブレット操作に不安があり心配症だった先生の「この前研修してもらったChatGPTって使えるのかな?」という一言を聞き、一緒に誤字脱字の確認をしました。ChatGPTが文章のよい部分も褒めると、その先生が「すごい!」と喜び、少し自信を持てた様子だったことが印象に残っています。
元の実践では、1時間かかっていた作業が30分で終わったという声もありました。100点を目指すのではなく、保護者へ伝わる80点以上の文章を早く作り、必要な部分を人が直すという考え方です。
個人名などの個人情報を入力しないことです。
02
保護者の要求を変えず、文章の調子を整える
電子連絡帳やフォームで長文の意見が届くことへの心理的な負担を軽くできないか、という考えから試した方法です。デモ文章を使い、感謝と敬意のある表現へ変えながら、伝えたい要求は変えないようAIへ指示しました。
「この文章を教師への日頃の我が子への指導に対する感謝と敬意の念を持った文章にしてください。ただし、文書で保護者が伝えたいことや要求などは変更は禁止します。」
大事なのは内容と、それに対して学校がどう行動するか。教師が文章の強さによって心理的ダメージを負う必要はない、と考えています。
一方で、実際の苦情文には個人情報が含まれるため、現状ではそのままAIへ読み込ませることは難しいとも考えています。
03
会議録をiPhoneとNotebookLMで作る
最初に試したのはAIボイスレコーダーのPlaud Noteでした。録音から文字起こしと議事録作成ができ、実用性を感じた一方、本体価格や月間文字起こし時間、追加契約が学校で継続する際の課題になりました。
iPhoneのボイスメモで録音し、自動文字起こしされたテキストをNotebookLMへ読み込ませる方法なら、手元の道具で代替できました。NotebookLMでは要点、決定事項、今後の対応を整理し、レポートやスライドの形へ再構成できます。
04
研修報告書は自分のメモから作る
研修中はGoogleドキュメント、Word、メモアプリなどで、きれいな文章にせず記録します。講師が強調したこと、自分が気になったこと、疑問、自分の実践との接点を残します。
「以下は研修中に私が記録したメモです。この内容をもとに、管理職または教育委員会へ提出する研修報告書として整えてください。文字数は800字程度。構成は、研修で学んだこと、自分の実践に生かしたいこと、今後の課題の3つにしてください。私のメモをもとに、内容を足しすぎず自然な文章にしてください。」
文字数が足りなければ増やし、長ければ短くするよう追加で頼みます。提出先に合わせ、文体の硬さも調整できます。完成後は、実際の研修内容とのずれ、自分が考えていない断定、提出先に失礼な表現、教育用語、個人情報、「子供・子ども・こども」など勤務先ごとの表記を確認します。
研修を聞かずにテーマだけで報告書を作らせることは勧めていません。どんな研修でも、自分の専門や現在の仕事との接点を探し、自分の学びにします。最初から100点を狙わず、8割程度で一度形にし、管理職や担当者の指摘に合わせて直すのが現実的だと考えています。
05
生成AIを広めたいというより、触れないのがもったいない
私は、生成AIで革命を起こしたいわけではありません。生活指導の「話の聞き方」をSunoで歌にして昼の放送で流したとき、職員室で自然に関心が生まれました。
Google Chatが広がったときも同じで、「タブレットだけでできる」「少し楽」「返信が早い」という必要感、手軽さ、ストレスの少なさがそろうと、先生は自然に動いたと感じています。
生成AIはサポートになる。でも、子供は人との関わりを求める。人だから意味がある仕事も、よりはっきり見えてくる。
- 自分で聞き、自分で考える
- 自分のメモや文章を材料にする
- AIには整理と下書きを手伝ってもらう
- 個人情報を入力しない
- 提出・共有する前に自分で内容を確認する