学校のICT環境が少しずつ整ってきた中で、「まなびポケットをどう使うか」は、多くの学校で検討されているテーマです。
一方で、現場の先生からよく聞くのが、
「便利そうだけれど、全部使い切れる気がしない」
「すでにGoogleフォームで回っている仕組みを、無理に変える必要があるのか」
「かえって校務が複雑にならないか不安」
といった声です。
この記事では、
まなびポケットかGoogleフォームか、どちらかに統一するのではなく、併用する
という現実的な選択について、学校現場の視点で整理します。
まなびポケットは「学校と保護者の窓口」として使う
まなびポケットの一番の強みは、学校と保護者をつなぐ共通の入り口になれることです。
・学校からのお知らせ配信
・連絡帳的なやりとり
・欠席・遅刻の連絡
これらを、保護者がスマートフォンから手軽に行える点は大きなメリットです。
特に導入初期は、
・学校から保護者へのお知らせ
・一方向の情報共有
に用途を絞ることで、トラブルを避けつつ、安心して運用を始めることができます。
欠席連絡は便利だが、現場では限界もある
まなびポケットの欠席連絡機能は、
・日付を指定して欠席予約ができる
・シンプルな設計
といった点で、とてもよく考えられています。
ただし、実際に学校で運用を考えると、次のような課題も見えてきます。
・欠席理由・遅刻理由が自由記述のみ
・感染症名や理由の分類、集計がしづらい
・後から内容を修正、整理するのが難しい
・電話で受けた欠席連絡を、担任側から反映できない
電話連絡を後から反映できない問題
学校現場では今でも、
・朝の時間帯に電話で欠席連絡が入る
・家庭の事情で、どうしても電話になる
というケースが少なからずあります。
しかし、まなびポケットの欠席連絡は、
保護者が入力したものを受け取る仕組みのため、
・担任が電話で聞いた内容を
・まなびポケット上に代理入力する
といった運用ができません。
その結果、
・まなびポケット上では「連絡なし」
・実際には電話連絡済み
という情報のズレが生じやすくなります。
Googleフォームが今も有効な理由
一方、Googleフォームは、
・選択式で理由や感染症名を指定できる
・回答を自動集計、加工できる
・後から項目の追加、変更がしやすい
・担任や管理職が代理入力できる
といった点で、学校現場の変化に柔軟に対応できるツールです。
特に、
・欠席理由の集計
・感染症対応
・保健関係の記録管理
といった校務では、Googleフォーム+スプレッドシートの方が回しやすい場面が多くあります。
実際に、欠席連絡をGoogleフォームと電子保健板で運用し、校務DXとして回している事例については、別の記事で詳しくまとめています。
Googleフォームを継続するデメリット
ただし、Googleフォームにも弱点があります。
最も大きいのは、維持管理が学校(多くの場合は担当者個人)に依存することです。
・設定変更
・不具合対応
・スクリプトや連携のトラブル
こうした対応は、基本的に学校側で行う必要があります。
すでに安定して回っている場合は問題が表面化しにくいですが、
「もっと使いやすくしよう」と踏み込んだ瞬間、負担は一気に担当者に集中します。
ICT支援員に相談できる場合もありますが、
最終的な責任は校内に残るのが実情です。
まなびポケットの強みは公式サポート
その点、まなびポケットは、
運営会社による公式サポートがあるという安心感があります。
・システムの保守
・不具合対応
・機能改善
を学校が直接抱え込まなくてよいことは、
長期的に見ると大きなメリットです。
連絡帳(お知らせ)の保存という視点
まなびポケットでは、
学校からのお知らせ配信機能を「連絡帳」と呼びます。
学校の1年は、行事や連絡内容が毎年ほぼ同じように回っていきます。
そのため、
・前年度とほぼ同じ文面
・少し修正すれば使えるお知らせ
は意外と多くあります。
まなびポケットでは送信履歴が残るため、
・去年どんな連絡を送ったか
・どのタイミングで配信したか
を後から確認できます。
さらに、WordやGoogleドキュメントで文面そのものを保存しておけば、
二重で安心です。
毎回ゼロから連絡文を作り直すのは、
最も効率が悪い作業の一つです。
惜しい点:送信予約ができない
連絡帳機能で惜しいのは、送信予約ができない点です。
文面を事前に準備できるだけに、
「時間指定で送れたらもっと楽なのに」と感じる場面は少なくありません。
いつ、まなびポケットに完全移行するのか
Googleフォームからまなびポケットへ完全に移行するタイミングについて、
私の考えはシンプルです。
「満足いく使い方ができる機能になったら」
これに尽きます。
無理に一本化せず、
・使えるところだけ使う
・足りない部分はGoogleフォームで補う
という併用期間には、十分意味があります。
現場の声を上げ続けることが重要
・欠席理由を選択式にしたい
・校務処理を前提にした表示がほしい
・代理入力ができるようにしてほしい
こうした現場の声を上げ続けることが、
結果的にサービス改善につながっていきます。
まとめ
・まなびポケットは、学校と保護者の窓口として非常に優秀
・Googleフォームは、校務処理や柔軟な運用に強い
・Googleフォームは、維持管理の負担が学校側に残る
・まなびポケットは、公式サポートの安心感がある
・完全移行は「できるから」ではなく「満足できるから」判断する
どちらかに統一することが正解とは限りません。
今の学校に合った形で、
無理なく回り、先生の負担を増やさない仕組みを選ぶこと。
それが、学校現場にとって一番現実的な校務DXだと感じています。



コメント