毎年行われる就学時健康診断は、来年度新たに入学してくる子どもたちとの最初の出会いの場です。子どもたちの成長を見守るための大切な機会である一方、学校側にとってはその場での様子を記録し、入学後のサポートにつなげる重要な時間でもあります。
最近では「プレ1年生」という考え方から、仮クラス編成を経て正式なクラス発表をする自治体も増えています。そんな中、従来の付箋メモや口頭伝達では非効率さが目立ち始め、ICT活用が注目されています。今回は、ICTを取り入れた就学時健康診断の具体例をご紹介します。
1. 情報記録の効率化:Googleスプレッドシート
健康診断では、新入生の名前は個人情報保護の観点から使用せず、受付番号を基本とします。Googleスプレッドシートを使うことで、次のような利点があります。
- 入力の柔軟性: プルダウン選択と直接入力ができ、情報を記録しやすい。
- 共同編集の強み: 各担当者がリアルタイムで進捗を記録可能。
- 見守りサポート: 待合室や検査中の行動をその場で入力することで、集団適応の様子が把握しやすくなります。
- 繰り返し利用可能: 一度作成したスプレッドシートは翌年以降も更新して使用でき、準備時間の短縮につながります。
2. 情報共有の迅速化:Googleチャット
当日の診断進行状況はGoogleチャットを使って全教員に共有。
- 常に最新情報を共有: 各担当からのリアルタイム報告で、全体の流れを即座に把握。
- 次の段取りもスムーズ: 情報が瞬時に届くため、必要な準備や対応が迅速に行えます。
3. 子どもへの工夫:視力検査のサポート例
健康診断では、初めての体験に緊張する子どもも多いものです。そのため、以下の工夫を行っています。
- 動画の活用: 視力検査の方法を繰り返し動画で流すことで、視覚と音声で安心感を与える。
- 親しみやすい素材: 視力マークをドーナツの絵に変えるなど、子どもがわかりやすい工夫を導入。
- 音声ガイド: 耳で聞いて理解しやすい説明を加え、検査のハードルを下げます。
ICT活用の効果と未来への期待
ICTの導入により、教員の業務負担は軽減され、診断の質も向上しました。子どもたちにとっても親しみやすい環境が整い、安心して健康診断を受けられるようになりました。
ICTの工夫次第で、学校現場の業務はさらに効率化できます。これからも教育の現場にICTの力を取り入れ、より良い環境づくりを目指していきたいですね。
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