問題は「仕事が多いこと」ではない
ICT担当が大変なのは、
仕事の量が多いからではない。
本当の問題は、
仕事が集まり方を間違えていることだ。
ICT担当に集まる仕事は、
一つひとつを見れば、それほど難しくないものが多い。
しかし、それらが
断続的に 同時多発的に 断れない形で
集まってくることで、
ICT担当は確実に疲弊していく。
パターン①「単純作業」が静かに時間を奪っていく
ICT担当に集まりやすい仕事の一つ目は、
単純だが、時間がかかる作業だ。
端末の入れ替え。
台帳の更新。
番号シールの貼り替え。
一つひとつは、誰にでもできる。
けれど、数が多い。
しかも、
「空いた時間でやればいい」と思われがちだ。
しかし現実には、
空いた時間など、ほとんど存在しない。
担任業務をこなしながら、
日々の合間でこうした作業を積み重ねるのは、
構造的に無理がある。
パターン②「ICTっぽい」という理由だけで全部集まる
二つ目のパターンは、
何でもICT担当に回ってくる状態だ。
放送設備。
視聴覚機器。
オンライン授業のトラブル。
ネットワークの不具合。
「ICTに関係ありそう」
という理由だけで、
すべてがICT担当に集まってくる。
結果として、
ICT担当は
専門外の管理や対応まで背負うことになる。
ここで起きているのは、
役割の拡大ではなく、
役割の曖昧化だ。
パターン③作業だけでなく「調整」まで一人で抱える
三つ目は、
作業だけでなく、
調整や説明まで一人で引き受けてしまうケースだ。
研修の開催。
出張対応。
アンケートの取りまとめ。
教育委員会とのやり取り。
これらは本来、
ICT担当だけの仕事ではない。
しかし、
「分かっている人がやった方が早い」
という理由で、
すべてが集まってくる。
結果として、
ICT担当は
作業者であり、調整役であり、説明役
になってしまう。
若手ICT担当が、特に潰れやすい理由
この構造は、
誰にとっても厳しい。
だが特に、
若手でICT担当になった場合は危険だ。
経験が浅い 発言力が弱い 「分かりません」と言いづらい
その状態で
「ICT担当だから」という理由で
仕事が集まってくれば、
振り回されるのは当然だ。
しかも、
ICT担当だからといって、
最初から知識や経験が豊富なわけではない。
調べながら、
試しながら、
時間をかけて解決していることも多い。
それでも、
時間がかかること自体が評価されにくい。
好きな人だけで回る仕組みは、続かない
ICTが好きな人なら、
ある程度は耐えられるかもしれない。
でも、
そうでない人がICT担当になったらどうなるか。
確実に回らない。
だから必要なのは、
「この人が得意かどうか」
に依存しない仕組みだ。
ICTが進まないのではない
進め方を間違えているだけ
ここまで見てきた問題は、
ICTそのものの問題ではない。
人が悪いわけでもない 努力が足りないわけでもない
進め方の設計を間違えているだけだ。
そして、
その設計を見直す役割こそが、
ICT担当に求められている仕事だと、
私は考えている。
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