「算数が苦手」「九九が覚えられない」という声を聞くたびに、「どうしたらもっと楽しく学べるのだろう」「自信を持てるようになるには?」と日々考えます。和歌山大学教育学部附属小学校の研究によると、算数嫌いの背景には「計算スキルのつまずき」が大きく関わっていることが分かっています。そして九九は、算数の基礎を支える大事なステップです。
しかし、九九の練習が単調で退屈に感じたり、失敗体験が重なると、算数全体を苦手に思ってしまうことがあります。そこで私は、カフートや音楽を活用して、九九を楽しく身につけられるような工夫をしています。この文章では、九九が算数全体にどう影響するのか、また現場での実践例と今後の展望についてお伝えします。
九九が影響する学習内容とその重要性
九九は、算数のあらゆる分野で使われる計算の基礎です。たとえば:
• わり算:九九を使うことで商がすぐに求められ、計算がスムーズになります。
• 小数・分数:九九を応用することで通分・約分、小数のかけ算・わり算が楽になります。
• 図形の面積・体積:長方形や三角形の面積、立体の体積を求める際に九九が使われます。
• 比例や割合:数量の関係を考えるときにも九九は不可欠です。
九九練習にカフートを活用
カフートを使った九九練習
カフートはゲーム感覚で学べるICTツールです。授業の始めに短時間活用することで、九九を楽しく練習できる環境を作っています。
短い時間で集中練習
授業の最初の10分間で、約40~50問の九九問題を出題します。一見少ないように感じますが、これを毎日続けることで九九の定着が確実に進みます。
ゲーム形式で楽しく
カフートのゲームモードを使うことで、子どもたちは競争心や達成感を味わいながら意欲的に取り組みます。「次はもっと正解したい!」という前向きな姿勢が生まれるのが特徴です。
苦手をその場で把握
カフートには正答率や解答状況をリアルタイムで確認できる機能があります。これを活用して:
• 苦手な段を特定し、丁寧にサポートする。
• 解答数が少ない子には「簡単な段からやってみよう」と声をかけ、自信をつけてもらう。
1年生のたし算・ひき算練習に応用
九九の練習で得た実績を、今後は1年生の繰り上がり・繰り下がりを伴うたし算・ひき算の練習にも応用していきたいと考えています。1年生にとってたし算・ひき算は算数の最初の大きな壁です。九九と同様に、この計算スキルが定着していないと、学年が上がるにつれて計算負担が増し、学習の遅れにつながる可能性があります。
また、繰り上がり・繰り下がりの計算スキルはその後の学習にも深く関係しています。
たとえば「あまりのある割り算」では、引き算を繰り返し使う場面が多く、ひき算に時間がかかる子どもたちが苦戦しています。こうした計算をスムーズに進めるには、1年生の段階で繰り上がり・繰り下がりの基礎も確実に固めておくことが大切だなと痛感しました。
音楽を活用した九九練習
九九を覚えるのが苦手な子どもたちには、「音楽」を活用する方法も効果的です。リズムやメロディに乗せることで、九九が楽しく身につき、自然に覚えられるようになります。2年生の頃に毎日流していたら子供達がその音楽が聞こえると自然と口ずさむのが微笑ましいです。
アニメのキャラや公文式などの動画も試しましたが、最終的に一番良かったおすすめの音源が
「ハット先生のお勉強シリーズ」の九九ソングです
このシリーズは、覚えやすいリズムとテンポで作られており、子どもたちに大人気です。映像ではかけられる数がだんだん増えていくアニメーションもわかりやすくて授業で使うのはもちろん、家庭でもYouTubeを活用して親子で楽しむことができます。
有料でmp3のダウンロード版もあります。
子どもたちの変化から見えた成果
九九が苦手で「できない」とまったく手がつかなかった子もも、カフートや九九ソングを活用するうちに、「やったー!」と笑顔で報告してくれるようになりました。九九が「苦しいもの」から「楽しい挑戦」に変わった瞬間です。
計算を楽しく身につけよう
九九や繰り上がり・繰り下がりの計算は、算数を学ぶうえで欠かせないスキルです。ただ覚えるのではなく、楽しく学びながら成功体験を積むことが大切です。カフートや音楽を活用することで、子どもたちが自然と前向きに取り組み、自信を持つ姿が増えていきます。
この記事が「九九って難しい」「計算が苦手」と感じている子どもたちが、「九九って楽しい!」「計算ができた!」と笑顔になる日を目指すヒントになれば幸いです。