授業を変える
3年間毎日Kahoot!を使って
分かった算数練習のコツ
楽しいだけで終わらせない。授業の最初の10分、レポートでの見取り、ゲームモードの選び方まで、毎日の実践から整理しました。

四則計算は、その後の学習を支える土台です。ただ、同じ形式の反復だけでは意欲が続きにくい子もいます。そこで、算数の授業の最初にKahoot!を取り入れ、短時間で集中して練習する時間をつくりました。
01
計算練習にKahoot!を使う理由
画面の動きや音、すぐに返ってくる正誤によって、子どもが自分から次の問題へ進みやすくなります。普段は計算に苦手意識がある子も参加しやすく、学級全体で同じ練習に取り組めました。

競争を励みにできる子がいる一方、順位に強い負担を感じる子もいます。個人の正答数や前回からの伸びにも目を向けます。
02
九九を音楽で日常にする
九九が苦手な子には、暗唱だけでなく音楽も使いました。取り組んで数年になりますが、小学生だけでなく、保育園に通う娘も覚えた方法です。給食準備、朝の時間、帰りの支度中に毎日流すと、音楽が聞こえた子どもたちが自然に歌い始めるようになりました。
アニメキャラクターの教材や公文式の動画なども試し、最終的に一番よかったのが「ハット先生のお勉強シリーズ」の九九ソングでした。覚えやすいリズムとテンポに加え、かけられる数が少しずつ増えるアニメーションも分かりやすく、授業でも家庭でも使えます。
03
毎日10分の実践
以前は算数の授業冒頭にマス計算をしていましたが、最初の10分をKahoot!タイムへ変えました。子どもたちは、たし算・ひき算・かけ算・わり算のクイズに取り組みます。
- 教師が問題を選ぶ世界中の先生が公開したクイズを使えます。内容を変えたい場合は複製して編集します。
- 全員で10分取り組む短時間に区切り、毎日継続します。
- 学級全体の伸びを伝える「今日は正答率が80%から90%に上がったよ」と数字で伝えたときは、教室中が拍手で盛り上がりました。
1回のセッションで学級全体の解答数が800〜1000問ほどになることもありました。印刷や採点をせず、多くの問題に触れられる点も助けになりました。
04
レポートで苦手を把握する
私はパソコンとiPadの2台を使い、片方でKahoot!を動かし、もう片方でレポートをリアルタイムに見ました。正答率が低い子のそばへ行き、必要ならラミネートした九九表をそっと渡します。解答数が少ない子には「間違っていいよ。練習だからどんどん数をしよう」と声をかけました。

終わったあとに学級全体の正答率を毎回発表し、上がっていく数字を見せることで、個人の順位とは違う「みんなで伸びた」という実感につなげました。
05
算数に向くゲームモード
クラシックは出題の間合いを取りにくく、一問一答になりやすいため、計算量を増やす目的には合いませんでした。チームモードは個人のつまずきを見取りにくく、チルアートは計算練習との相性がよくありませんでした。サブマリンは盛り上がりますが、教室が騒がしくなりやすい点に注意が必要です。
06
実際に起きたトラブル
- 盛り上がって予定の10分を超えてしまう
- 友達と同じスキンにしたくて、問題より操作へ意識が向く
- 履歴を許可なく使う、意図的に最後まで終えない
- ゲーム部分に時間を使い、解けた問題数が少なくなる
- 結果や勝敗を受け止めきれず、涙が出てしまう
始める前に終了時刻、名前の付け方、端末操作の約束を短く確認します。ゲームは目的ではなく、計算を身につけるための手段です。子どもの様子に応じて、参加方法やモードを変えます。
07
1年生・教員研修への広がり
1年生のたし算・ひき算でも使えました。正解が積み重なる経験は、「自分にもできる」という気持ちにつながります。九九では音楽も組み合わせ、覚え方の入口を複数用意しました。
教員研修では、教師自身が参加者として体験すると、楽しさだけでなく、接続、時間管理、結果の見方まで具体的に理解できます。最初は一つの学級、一つの単元、10分から試すのが続けやすい方法です。
Kahoot!のよさは、意欲を引き出し、準備を軽くしながら、理解の様子をその場で見られることです。